校長室より

卒業式に思う

 第61回卒業式を行いました。コロナウィルス感染拡大防止のため、来賓2名、保護者各家庭1名、在校生6名という規模を小さくしての実施とさせていただきました。本来であれば、卒業生合唱で式を締めくくるところですが、それも見合わせました。卒業生にとっては、最後まで我慢を強いられる形となってしまいました。しかし、卒業式を終え、プラス面で実感したことがあります。

 一つは、校歌のもつ力です。マスクをして、トーンを落としての校歌斉唱でしたが、聞き慣れたメロディーと歌詞が心に染みてきました。卒業生の、母校となる東中への愛おしさを感じたからかもしれませんが、校歌は学校のシンボルであり、誇りなのだと思いました。

 もう一つは、素直な言葉には力があると言うことです。今回の答辞と送辞は、参列した多くの方の心に響くものでした。それは、大変な状況の中で、自分と向き合い自問自答することが多かったからでしょうか、述べられた一言一言が素直に自分の心が表現され、よそよそしく飾られた言葉とは違い、心に落ちてくる言葉でした。

 今年度の卒業式は、縮小されたからこそ一つ一つの所作や言葉に気持ちがこもっていたことや、その気持ちをしっかり受け止めようとして臨めた素晴らしい卒業式だったと手前味噌ながら感じています。

 保護者の皆様には三年間、本校へのご理解と多大なるご協力をいただきました。特にこの一年は未曾有の事態で、いろいろなことが計画通りに行かず、精神的に大変だったお子様に対し、ご自身も大変な中、お子様と思いを共有して、寄り添い、励まし、諭し、前を向いて歩み続けていただいたことに、敬意を表しますと共に、心より感謝いたします。